糖化するとコラーゲンが失われる?

本来は無色透明であるはずの砂糖水を煮詰めると、茶色くなって固まりカラメルになります。砂糖水がカラメルに変化するのと同じ現象が人体で起こることがあり、糖化と呼ばれています。皮膚でこの現象が起きると糖分がコラーゲンに絡みつき、カラメルのように固まります。肌のハリを保つ繊維が変性して弾力性を失い、色が黒くなって老化が進みます。肌が老化する原因は一般的に3種類あるとされています。太陽からの紫外線や感想、酸化は肌を老化させる主な原因です。さらに糖化も老化の大きな原因になります。糖分は人体を動かすエネルギー源として重要な存在です。しかし糖分によってタンパク質が変性を起こすと肌が老化してしまいます。この現象が発生すると、真皮層で肌のハリを保つコラーゲン繊維が破壊されます。真皮層はおよそ0.2mmの薄い表皮の下にあり、2mmから3mmの層を形成しています。コラーゲン繊維の他にもエラスチン線維やヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸などの細胞同士をつなぐ物質が存在します。真皮層を構成する約70%の物質はコラーゲンです。糖化が発生するとその繊維が破壊され失われてしまいます。
糖尿患者は肌のハリが失われて黒ずんできます。これは患者の体内に溜まった余分な糖分がタンパク質を変性させることで起きる現象です。タンパク質と糖分が結びつく現象が進む過程では、酸化や脱水などの反応が繰り返されます。その反応によって老廃物が発生します。加齢によって老廃物の代謝速度が遅くなると、肌の透明感が失われてくすみや黒ずみmの原因となります。糖尿病患者の皮膚には健常者と比較して多くの老廃物が蓄積されています。そのため肌の老化が早まることになると考えられます。
糖分は体内でタンパク質などの物質と結びつき、糖化反応を引き起こします。糖化は一般的にメイラード反応とも呼ばれます。この反応によって固くて茶色の分解が困難な老廃物が発生します。肉や魚の焦げは体に悪いとされていますが、それらがメイラード反応による老廃物であることが原因です。加齢が進むと体内に老廃物が蓄積されます。そのため細胞に様々な悪影響を及ぼして老化を促進します。糖分は人間の活動エネルギーとして重要な存在です。老廃物の発生を避けることはできません。皮膚の血管が硬化する現象や糖尿病の合併症はメイラード反応の老廃物によるものとされています。またアルツハイマー病も老廃物が関係している可能性があります。摂取カロリーを制限して生活を行えば老廃物の発生量も減少するので、肌の老化が遅くなるのではと考えられています。
メイラード反応による老廃物が最も多く含まれる食品は脂肪です。一方食物繊維は最も少ないとされています。老廃物は毎日体内で発生していますが、様々な食品からも摂取してしまうので注意が必要です。食品の調理方法や調理時間などによっても老廃物の発生量に違いが存在します。メイラード反応による老廃物はコラーゲンを減少させて肌が老化する原因となります。さらに糖尿病や心疾患、腎臓病や認知症などとも関連性があると考えられています。老廃物に関する研究が進めば肌のハリを維持できるだけでなく、様々な病気の予防や治療にも役立ちます。現在では世界中の研究機関や企業によってメイラード反応を起こさない食品や化粧品などの開発が行われています。ローマンカモミールやドクダミなどは老廃物量を減少させる効果があるという研究報告も存在します。
メイラード反応から体を守るためには血糖値を急激に上昇させないことが重要です。肌を守るためにも血糖値に気を使うことが求められます。空腹時の血糖値が正常でも安心はできません。血糖値が最も上昇しやすいのは食後です。食後の血糖値を血液1dlあたり200mg未満に抑える必要があります。簡易式の血糖値測定器を自宅に用意し、食後に自分で測定を行うのも効果的な方法です。血糖値を上昇させないためには食べ物の種類や食べ方にも注意が必要になります。緩やかに血糖値を上昇させる食品を選べば安心です。またゆっくりと時間をかけ、よく噛んで食べなければなりません。空腹時や運動後に甘いお菓子やジュースを摂取するのも血糖値を急激に上昇させるので避けます。食事の量はいつも腹八分目に抑えることが重要です。
糖分を多く摂取し血糖値が上昇すると、体内で活発にメイラード反応が起きます。その結果として老廃物が蓄積し、コラーゲンが失われて肌のハリがなくなります。さらにくすみや黒ずみも発生するので、糖分の摂り過ぎには注意しなければなりません。肌をいつまでも若々しく保つためには、日頃から酸化だけでなく糖化にも気を使う必要があります。糖分はエネルギー代謝や免疫機能と関係します。体の健康を保つためには全く摂取しないわけにはいきません。メイラード反応を防ぐには糖分を過剰に摂取しないことが重要です。上手にコントロールできれば、いつまでも健康的な肌を保つことができます。