糖化のメカニズムと抗糖化

お肉を焼いていると赤みが次第に消えていき、いい色付きになっていきます。しかしこの機を逃すと途端に肉は焦げ、真っ黒で食べられなくなってしまうことも多いです。一般的に酸化はサビ、糖化は焦げと言われます。糖とタンパクが結びついてしまう状態です。これが体の中で起こってしまうと大変です。お肌は硬く弾力がなくなり、美しい白さも失われてしまいます。
体の中でエネルギーとして使われず余った糖とたんぱく質が結合すると糖化が起こります。人は血管から老いるなどと言われるように、動脈硬化が起きると心筋梗塞や脳卒中のリスクは高まります。血管を痛める原因としてコレステロールが挙げられますが、抗糖化の対策も同時に行うことができれば、さらに健康に近づくことが可能です。
対策としては、血糖値をコントロールすることが挙げられます。食後の血糖値は特に大切で、ここに気をつけておけば安心です。ただ、食後の血糖値を常に測るのは難しいと言えます。そこで、血糖値を測らずに推測できる兆しがあります。食後2時間程度で空腹感を覚え、その1時間から2時間後に空腹感が収まることがないかどうかです。食後20分から1時間で血糖値は上がるため、インスリンが分泌されます。インスリンの作用で血糖値は下がり一時的に低血糖に陥り、空腹感を感じるというメカニズムです。一気にたくさん食べてしまう食べ放題や、大盛り無料には特に注意が必要です。外食でラージライスを注文しない、甘いものやジュースは控えるようにするなど、気をつけると良いです。
糖分は人間が生きていくためとても重要な栄養素なのは言うまでもありません。とかく悪者にされがちですが、糖分の摂取は必要です。ここでポイントになるのは、急激に血糖値を上げない食品を選ぶことです。GI値という言葉があります。ブドウ糖の血糖上昇率を100とした場合の血糖値の上昇する割合を数値化したもののことです。この数字が低い食品ほど血糖値は上がりにくく、GI値が高いと血糖値は上がりやすい傾向があります。できるだけ低GI値の食品を選ぶことが、糖化の予防につながります。食パン・じゃがいも・ホットケーキ・チョコレート・ドーナツ・餅・うどんなどはGI値が高い食品の代表格です。日頃よく口にしている食品や自分の好物がこれらに偏っている場合は注意が必要です。近年ではカロリーが高いか低いかよりも、GI値の低い食品を選ぶことの方が重要視されています。GI値が高い食品は、柔らかく消化吸収も良いものが多い傾向が顕著です。硬い食品はよく噛んで時間をかけて食べなければならないため、食後の血糖値が上がりにくいという副次的効果も認められます。
また、食品によってはAGEを多く含むものがあることも知っておかなければなりません。焼いたり揚げたりといった調理をすると、こんがりとおいしそうな焦げ目がつきます。これはつまり、糖化反応を起こしていることにほかなりません。
食事で食べる順番もとても大切です。主食のパンやご飯などの炭水化物を摂る前に、食物繊維が豊富に含まれている野菜やキノコ類、タンパク質を多く含んでいる肉や魚類を食べるのは基本の順番です。健康のために食事の前にたくさんのサラダを食べる人も増えてきています。例えば和食の伝統とも言える懐石料理を食べる順番は、まさに理想的と言えます。抗糖の作用が強いビタミン群を積極的に摂ることも大切です。ビタミンは抗糖・抗酸化作用を持つとても優良な栄養素です。ビタミンが多く含まれる食品を口にするよう心がけるだけでも、ずいぶんと結果は違ってきます。AGEを下げる効果が認められている緑茶カテキンも、食事と併せてとると効果的です。
血糖値が1番上がるのは食後1時間後です。この時に運動をすれば役に立つ習慣になります。20分以上、できれば1時間の有酸素運動を行えば、リスクを減少させることができるだけではなく、様々な生活習慣病に対しても有効です。運動の種類は特に問いません。継続的に体を動かす方法であれば、ウォーキングやジョギング・サイクリング・エアロビクス・踏み台昇降・水泳など何でも構いません。積極的に体を動かす事は、精神的なストレスを減らす効果も期待できます。体を動かし汗をかけば、心地よい疲労感でストレス解消にはもってこいです。
ただし、注意すべきこともあります。運動をした直後に糖分を多く含む飲み物を摂ってしまうと急激に血糖値は上がります。インスリンが分泌され、エネルギーが皮下脂肪や内臓脂肪に変わるので注意が必要です。これは食後に起こるメカニズムと似ています。運動後の水分は、糖分をあまり多く含まれないものを選ぶのがコツです。
健康を害する代表格としてタバコがあります。タバコの煙がAGEを増やすこともわかっていますし、隣にいる人にも副流煙という形で被害を及ぼします。
糖化は老化と病気の大きな要因となり得ます。一方で、自ら生活に気をつけたり、努力をすることで抑制することも可能です。いつまでも生き生きと若々しくいるために、できる努力はしておくべきです。