カミツレ=カモミールの別名って知ってた?

突然ですが「カモミール」と「カミツレ」という名前を聞いたとき、それぞれにどんなイメージが浮かびますか?
カモミールといえばハーブティーやアロマテラピーで人気の西洋ハーブ。
カミツレの方は、龍角散のど飴にも入ってるし東洋の薬草かな・・・?と思われた方もいるのでは?
もし、この二つの植物が「〇〇」だと知らない人は要チェック!
今回は知っているようで知らない「カモミール」と「カミツレ」の違いについて、わかりやすく解説していきます。

カモミールとカミツレは同じハーブだった!

日本での用途や名前の響きから、西洋と東洋の別種のハーブと思われがちな両者ですが、実はまったく同じ植物です。
なぜカモミールがカミツレと呼ばれるようになったのか、カモミールの歴史から紐解いてみましょう。

学名 Anthemis nobilis(ローマンカモミール)
Matricaria recutita L.(ジャーマンカモミール)
科・属名 キク科・ローマカミツレ属(ローマン・カモミール)
キク科・シカキク属(ジャーマンカモミール)
英名 Roman Chamomile
German Chamomile
原産地 ドイツを中心としたヨーロッパ~北アジア
開花期 6~7月(ローマンカモミール)、3~5月(ジャーマンカモミール)
国花指定国 ロシア

カモミールは、ヨーロッパが原産のキク科の植物です。
多くの種類がありますが、その中でも代表的な一年草のジャーマン種、多年草のローマン種は効能も用途も似ています。
紀元前から薬として用いられ「最古の万能薬」とも呼ばれています。
幅広い傷病に効く効能、温暖な気候ならどこでも栽培できる繁殖力がもてはやされ、世界中で愛されてきました。
草丈は30cmから60㎝ほどで、りんごのような甘い香りをもった白い小花を咲かせます。
香りは収穫や乾燥を経ても長続きし、精油のほか、ハーブティーやポプリとしても利用されています。

カモミールが日本に渡ったのは19世紀ごろ、蘭学(オランダ医学)における民間薬としてオランダから伝えられました。
当初は「母菊(ぼぎく)」と呼ばれ、上流階級の女性たちに婦人病の薬として重用されていました。
この母菊が全国へ広まる過程で、オランダ語名の「カミーレ」が訛って「カミッレ」呼びに転じ「カミツレ(加密列)」という和名が生まれたと言われています。
カミツレの名づけ親は定かではありませんが、文献に初めて登場したのは蘭方医・宇田川玄真が記した「遠西医方名物考」(1822年)。
医学的には日本でもかなり古い時代から、名前が伝えられていたようです。

カモミール(カミツレ)の主な効能

カモミールはカミツレと同じ植物ですから、人体にもたらす薬効はもちろん同じです。
代表種(ジャーマン、ローマン)に共通する主な効能は以下の通り。

安眠・リラックス

最も良く知られているカモミールの効能は、安眠とリラックス効果でしょう。
カモミールに含まれる「アピゲニン」には、神経を興奮させる物質「ドーパミン」を抑制し、鎮静(=リラックス状態)へと導く働きがあることがわかっています。
睡眠薬と違って効きが非常におだやかなため、子供の寝かしつけにも有効です。
児童書「ピーターラビット」でも、お母さんウサギが寝つきの悪いピーターにカモミールティーを与える描写が登場しています。

抗炎症

「天然の非ステロイド系抗炎症剤」と呼べるほど、抗炎症作用をもったポリフェノールやフラボノイドが豊富に含まれています。
炎症の原因物質を元から断つ作用があり、胃腸炎などの消化器から、口内や皮膚の炎症まで幅広く対応できます。
生活にカモミールが浸透してヨーロッパ圏では、カモミールティーを傷口の消毒液にしたり、うがい薬の代わりに使う地域もあるようです。

婦人科系トラブルの緩和

カモミールには体温をゆるやかに上昇させ、身体の冷えを解消する作用があります。
このため、冷えが原因の女性特有のトラブル予防(月経不順、PMS、更年期障害など)に効果大。
薬に頼らず改善したいとき、女性の強い味方になってくれるハーブです。

抗糖化

実はアンチエイジングにも効果があります。
糖化とは、過剰な糖分が体内のタンパク質と結びつき、老化促進物質「AGEs」を生成する現象のことで、肌の老化スピードを速める原因は糖化にあると言われています。
カモミールに含まれる「カマメロサイド」には、この糖化を阻害する作用があるのです。
糖はヒトが生きる上で欠かすことのできない栄養素ですから、糖化リスクを完全に断つのは難しいもの。
カマメロサイドのような、発生自体を抑制できる物質をうまく取り入れるのが若返りのカギとなるでしょう。

カモミールVSカミツレ、どっちがメジャー?

日本ではどちらの呼称も使われていますが、耳にする機会では「カモミール」が圧倒的です。
カモミールティーを「カミツレティー」「カミツレ茶」と呼ぶと、あまりしっくりきませんよね。
しかし、龍角散のど飴や生薬の原料としてのカモミールはカミツレと呼ばれることが多いですし、国産のカモミールはカミツレの名で出荷されるのが一般的です。
明確な定義はありませんが、西洋的なイメージのもの(アロマオイル、ハーブティー)は「カモミール」、東洋的なイメージのもの(のど飴や生薬)は「カミツレ」と無意識に呼び分けるのが日本人の傾向なのかもしれません。

カミツレはカモミールの和名!

今回の記事をおさらいしましょう。

・カミツレとはカモミールの和名(日本での呼び名)

・同じ植物なので効能は変わらない

・日本では西洋的なものにはカモミール、東洋的なものはカミツレで呼び分ける傾向

以上のことがわかれば、あなたも立派なカモミール通!
意外と知られていない豆知識なので、話のタネとしてぜひシェアしてみてください。

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